- insight
株式会社KCC PARTNERSについて
- 2026/07/10
- 2026/07/10
株式会社KCC PARTNERS代表の城戸崎祐馬です。
弊社は医療特化のブティックコンサルティングファームとして2020年8月に設立し、おかげさまで間もなく7年目を迎えます。
コロナ禍の真っ只中に立ち上げたこの会社ですが、この数年で医療業界を取り巻く環境は大きく変化したと感じます。
設立当初はコンサルティング事業のみでしたが、現在では空間プロデュースも含めた自社事業も運営するようになり、医療機関だけでなく、製薬企業、医療機器メーカー、さらには他業界からもご相談や講演依頼をいただく機会が増えてまいりました。大変ありがたく、光栄なことと存じております。その一方で理念や価値観の面で当社と方向性の合わないご相談をいただくことも増えてまいりました。
創業7年目を迎えるにあたり、当社が何を大切にし、どのような考え方でクライアント様と向き合っているのかを、自ら発信することの重要性を改めて感じています。特にコンサルティング業は資格や免許による参入制限がなく、提供価値の違いが見えづらい業界です。
そのため、本稿では私自身のバックグラウンドと、KCC PARTNERSの成り立ち、そして大切にしている価値観についてご紹介させていただきます。
ご興味をお持ちいただいた方、ご依頼をご検討いただいている皆さまにお読みいただければ幸いです。
製薬企業からキャリアをスタート
私は2006年にエーザイ株式会社という製薬企業に新卒で入社しました。
同期は約200名。そのうちの7割は薬剤師免許所有・もしくは理系出身の人間でした。語学系の文系出身の私は、専門知識の面で必死についていったことを今でも覚えています。
MR (Medical Representative)として愛知県の開業医から東京都内の基幹病院まで幅広く担当し、最終的には慶應義塾大学病院を担当させていただきました。エーザイにとって、重要な施設であり、医療の最前線を戦略的に学ぶ貴重な経験となりました。
一方で、大学病院が担う「臨床」「教育」「研究」、そして「経営」を同時に成立させることの難しさも実感しました。
世界に先駆けて超少子高齢化が進む日本では、医療費抑制の流れが今後さらに強まることは明らかであり、その中で私は、
「今置かれている環境の知識や技術は、いずれ必ず陳腐化する」
という危機感を抱くようになりました。
そのため、保険診療だけに依存しない、新しい医療経営の在り方を学びたいと考え、次のキャリアを選択しました。
自由診療における戦略の重要性
2016年、美容医療の世界的リーディングカンパニーであるアラガン・ジャパン株式会社(現アッヴィ)に籍を移しました。
ここでの職務は医療機関向けのビジネスコンサルティングです。美容医療を含む自由診療市場は高い成長を続けており、現在の私の事業基盤となる知識や経験の多くはこの時期に培われました。
製薬企業が自社で医療機関向けにコンサルティング部隊をもつことは当時としても、極めて特殊なスタイルでした。業界の規程・コンプライアンスの問題などが様々ありましたが、営業部隊とは完全に切り離され、社長直轄組織として運営されていました。
この時、教育体制として大変ありがたかったのは、MBB(McKinsey & Company、BCG、Bain & Company)に代表される世界水準の経営手法や戦略フレームワークを学ぶ機会に恵まれたことです。これは現在でも大きな財産となっています。
そして、北海道から九州エリアまで、都市部から地方まで、多くの経営者と向き合う機会をいただきました。
経営は綺麗事だけではなく、論理と感情の両軸を揃えないと事業は動かない、ということを泥臭く学び、そしてそれを結果へと昇華していきました。
シンクタンクでの学び
より専門的な知見を得たいと感じ、2019年にNTTデータ経営研究所に移籍します。
ここではヘルスケア分野を中心に産業戦略案件に従事させていただきました。企業案件だけでなく、官公庁案件にも従事しました。
NTTデータの中核プロジェクトであった1000年カルテプロジェクト、外資製薬企業の流通戦略、東京都のロボティクス関連事業などに携わり、産業政策や公共領域の視点を学びました。
シンクタンクとしての思考法や政策形成のプロセスを経験できたことは貴重でしたが、一方で私は次第にこう考えるようになります。
「調査や提言だけではなく、その先の実行と成果まで見届けたい。」
それが独立を決意した理由のひとつでした。
独立後のスタイル
2020年8月に株式会社KCC PARTNERSを設立。
設立当初から現在に至るまで私一人の組織です。今後もこの事業ではこのスタイルを変えるつもりはありません。
弊社が求めるのは、社員として抱える人材ではなく、その領域において日本でも有数の専門性を持つパートナーだからです。
100名を超える専門家ネットワークを有しており、案件ごとに最適なチームを編成する。それがKCC PARTNERSのスタイルであり、強みです。
近年、生成AIの普及により、従来であれば人手が必要だった業務の多くが効率化されました。
だからこそ今後は「人数」ではなく、「専門性」と「構想力」がより重要になると考えています。
簡単ではありますが、以上が、私のキャリアであり、KCC PARTNERSの成り立ちです。
さいごに
私が常日頃考えている問いがあります。
「医療にマーケティングは本当に必要なのだろうか?」
もちろん、患者さまに適切な情報を届けるための認知の最大化は必要です。しかし近年は、短期的な集客だけを目的とした稚拙かつ乱暴なマーケティングも増えてきました。本来であれば評価されるべき医療の質や倫理観よりも、広告やSNS運用が優先される場面も少なくありません。
誤解のないように申し添えると、医療マーケティングそのものを否定しているわけではありません。むしろ長年その世界に身を置いてきました。だからこそ、医療倫理と経済合理性の両立こそが重要だと考えています。
医療は純粋な科学の集大成であると同時に、重要な社会インフラです。だからこそそれを担う者には高い倫理観が求められます。かといって、犠牲の精神で成り立たせる事業ではなく、商業としても持続可能でなければ未来に希望はもてません。この二つを両立させることが、私自身の使命だと思っています。保険診療、美容医療のマーケティングに関してより創意工夫を望まれている方はぜひ一度当社にご相談くださいませ。
今後も志を忘れることなく、医療の発展に貢献してまいります。
株式会社KCC PARTNERS
代表取締役 城戸崎祐馬